迷走かあちゃんの日記

2012年に33歳で男女の双子を出産。育てる毎日に追われ迷走中。育児の事、夫の事、仕事の事、世の中の事、お金の事、自分の事etc…尽きる事のない独り言を綴っている日記です。

双子の兄の事故。その時の妹の様子。

我が家の双子は男女(兄、妹)です。
ただいま7才で2年生。
普段からいつも一緒で仲良し。
去年小学校に入学し初めて別々のクラスになったことで新たな経験も増えたけど、今回休校が続いた事で再びベッタリ仲良しに戻った感じで過ごしていました。


先日、兄のほうが大ケガをしました。
流血、救急車、そして顔を20針縫うという大変なことでした。


私はその日から数日間に渡って息子の世話を中心にしていましたが、ママっ子の娘のことはいつでも気にかかっていました。


弱い者に優しく自分から助けようとする精神がもともとあって、生真面目な子です。

双子の兄が目の前で顔を切って血まみれになった時には、すぐそばでシャボン玉をしていました。
息子が事故直後にまず『痛いっ!』と泣き叫び、混乱して血まみれで夫に駆け寄ったらしく、『何やってんだよオマエ!』と抱き止めた夫の体に血痕がついたのはもちろん、そばにいた娘にも血が飛び散っていました。1滴2滴ではありませんでした。

その時、
息子を助けなければならない3人の中でもしかすると娘が一番気丈に頑張ってくれたかもしれない。今にしてそう思います。

夫は半泣きで震えながら息子の体を受け止めている。
私は大きく震えながらスマホで救急車を呼んでいる。
娘は、
頼まれた事に迅速に応え、自分にできる事をちゃんとしてくれました。

父親にタオルを頼まれた時も素早く2.3枚届けた。
混乱する状態を見て我が家の前の公道に放置してしまっているシャボン玉などを片付けた。
救急車の音が近づいた時に曲がり角まで誘導のために駆け出した私にくっついて来そうになったけど、自分からすぐ『あ、私まで行ったら逆に危ないか。』と、下がった。
救急隊員が到着した時には動線から外れた位置に避けておとなしく見守った。

7才らしい落ち着きの無さなど、そこにはなくて、兄のために家族のために自分が今どうしたら良いのかよく考えて自分で行動してくれた。


私と車で搬送先の病院へ向かっている時も、気遣いからなのか、それともショックだったのか、静かに助手席に乗っていた。

病院の中で救急処置室前のベンチに座り、処置や検査の報告を待つ間もいい子だった。



どれだけショックで
どれだけ緊張していて
どれだけ我慢しているのだろう



おなかの中からずっといつも一緒の大好きな兄。

死んじゃったら嫌だよ…と頭をよぎるだけでもどれだけ怖かっただろうか。だけど、たまに涙を拭うぐらいでじっと辛抱していた。



双子の妹の念もあってか、
脳の出血や、骨折はなく、傷もキレイに縫合完了。
本人の意識もしっかりしていた為、無事に一緒に帰れる流れとなったものの、普通なら一泊入院の脳震盪の状態。
  

サポートする我々家族の緊張は続いた。


車の後部座席で爆睡する息子。しかし傷は20針縫いたてホヤホヤだし、脳は揺らしたくないし、隣で守る私は息子に全力集中。夫はもちろん運転に集中。娘は誰に手を焼かせる事もなく助手席でひたすらお利口です。


家に着いて玄関まで少しだけ歩いた息子が吐き気を訴えました。その時娘が素早く洗面器を取りに走ってくれたおかげで嘔吐に間に合い助かりました。
正直、なんて頼りになるんだろうと感心しました。


脳震盪の影響で少し嘔吐に警戒だなと思いながら、その後私はベッドで息子に付きっきり。
と言っても、息子は爆睡とうっすら目を覚ますのを頻繁に繰り返すというちょっと不思議な様子。
嘔吐が続くより全然大変ではないものの心配で目が離せませんでした。



夫とリビングで一休みして落ち着いたのか、娘がベッドに来ました。


息子は目を覚ましても顔面右半分は少し腫れ上がって変形しているし顔全体が無表情。言葉も発しません。ショック状態だったんだと思います。




ただ、この時の双子の光景を、きっと私は忘れないと思います。

私が
『〇〇(娘)来てくれたよー。一生懸命助けてくれて、すごく心配してるよ。』
と静かに息子に伝えると、

息子は無言で妹を見つめて手を差し出しました。

すると、その手を娘が優しく両手で握りました。

その手はきっと温かかったんだと思います。

娘がこの時無言で大粒の涙をこぼしたんです。
安堵の涙ですね。

言葉が声にならずに何か少し口がパクパクしたけど上手く言えてなかった。

でもたしかに妹の思いを受け取った様子の兄。
生きていることに感謝しているというような事を口に出すようになりました。


娘の本気の兄弟愛とそれを確かに感じ取ることのできた兄の姿でした。




毎日大事に生きようね。
頑張ろうね。
この子たちがどうか健康で、自分らしく心豊かな人生を歩んでいけますように。

そしていつまでも仲良くいられますように。